お客さんとの食事を交えての打ち合わせ。
頻繁に顔を合わせるわけでもなく、
これまでの経過や体験などと話していれば、
時間が足らず、1軒、2軒・・・とはしごをし、
様々な話を交わす。
そんな話の中で、次の一手が見えることもある。
繁華街の賑やかな雰囲気も
すっかり落ち着いた頃、
当然のことながら、終電もとっくのとうに
行ってしまい、とぼとぼと歩きながら、
帰路へ着く。
普段は人通りも激しいこの道も、
この時間なら気を遣ったり、余計な神経を遣ったりせず、
自由に独り占めして歩ける。
もしかしたら目を瞑っても歩いて帰れるほど、
何度も通ったこの道も、道に沿って並ぶ
街灯を頼りにして歩いてみる。
灯りに照らされた地面を目を凝らして見てみると、
あちらこちらにキラッと光る幾つもの軌跡が見えた。
ジグザグだったり、弧を描いていたり、
志半ば、途中で止まっていたり、
長い軌跡を描いていたり。
その上を歩いて行ったとき、
僕は誰かが切り開いてくれた道を道標に
歩かせているのだろう、と。
そんなことを思いながら。
大人の境界線を手前に、いろいろと考えながら、強い風に吹き付けられながらも
力強く前に歩き続ける少年をイメージしながら描いたイラストレーション。